夜のピクニック

本を読んだ感想

恩田 陸の長編青春小説。本屋大賞を受賞したり、映画化もされた傑作です。
高校生活の最後を飾るイベント「歩行祭」。それは、24時間かけて80kmの道のりを歩き続ける高校の伝統行事であった。甲田貴子はずっと意識しながらも、話をすることが出来なかったクラスメイト西脇融のことで密かな思いを抱きながら、歩行祭に臨んだ。というお話。
物語はただ歩いているだけで、大きな事件が起こるということはありません。それでも、ここまで話を広げて面白くできるのは著者の筆力に尽きると思います。とにかく、二人の主人公を中心に登場人物の心の機微や心情の変化が繊細に描かれていて、多感な高校生の思いが交錯する様子が甘酸っぱくて、美しいです。微笑ましい気持ちで読み進めることが出来ます。
また、時間が経つにつれ、移ろいゆく情景の描写が素晴らしいです。まるで登場人物と一緒に歩いているかの様な感覚に陥り、次第に本の世界観に引き込まれていきます。そして、読了後には、登場人物と一緒にゴールしたかのような爽快感がたまらないです。
青春が凝縮されたような作品ですので、青春を終えた大人達が読めば、ノスタルジーな想いに浸れる作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:恩田 陸
定価:629円+税
ページ数:455ページ
発売年:2006年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月8日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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配送の方法 クリックポスト
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