木洩れ日に泳ぐ魚

本を読んだ感想

恩田 陸の心理サスペンス小説。直木賞のみならず、本屋大賞を2度受賞した傑作です。
謎を解いていくミステリー要素を含みながら、恋愛小説でもある独特な小説です。
舞台は、アパートの一室。明日は別れていく男女が、最後の一夜を共に過ごすところから始まります。何気ない会話から始まった二人の最後の夜ですが、次第にお互いの疑念を探りあう展開になり、過去のある事件や二人の関係性の真実に迫っていく。というお話。
およそ10ページ前後の章ごとに、話し手の視点が切り替わり、男女の掛け合いで話は進んでいきます。お互いの語り口から語られる真実から、徐々に明らかになっていく事実や状況は、驚きの連続でどんどん話に引き込まれていきます。
また、情景描写や二人の心理描写がとても上手に描かれている作品だと思います。アパートの一室や過去の回想場面の情景が容易に頭に思い浮かべることが出来るので、とても読みやすいです。
登場人物は基本2人だけで、一夜限りの出来事が描かれた物語です。このシンプルな設定で、話をどんどん広げていって読者を引き込んでいく著者の筆力は見事です。常に緊張感を保ちながら、最後までドキドキしながら読み進めました。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:恩田 陸
定価:620円+税
ページ数:298ページ
発売年:2010年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月8日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300