春を背負って

本を読んだ感想

奥秩父の山小屋を舞台とした連作短編小説。2014年に松山ケンイチ主演で映画化もされた人気作です。
本作は、山小屋を営む父の訃報を機に、山小屋経営の後を継ぐことにした主人公・亨とそこを訪れる登山客とが織り成す物語を6つのエピソードで描いた作品です。
6つの物語は四季の移ろいを感じるように丁寧な情景描写とともに描かれており、季節ごとの山の美しい風景が頭に容易に浮かびます。また、自然の厳しさも描かれており、それも含めて、山の魅力が伝わってくる素敵な作品です。
山小屋で起こる様々な事件がとても面白いです。山小屋経営の描写がとても細かく描かれているので、とてもリアリティを感じます。次はどんな事件が起こるのかワクワクドキドキしながら読み進めました。
そして、亨と登山客とが織り成す人間ドラマが面白いです。人生に悩みを抱えた登山客が山小屋にやってきて、美しい自然に触れ、人間の暖かさに触れ、前を向いて歩いていく展開がとても素敵で、心が温かくなります。6つのエピソードどれもがとても読みごたえがあり、生きていくためのヒントを与えてくれる素敵な作品です。文章もとても読みやすいので、おすすめです。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:笹本 稜平
定価:590円+税
ページ数:361ページ
発売年:2014年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月9日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300