終電の神様

本を読んだ感想

事故により運転を見合わせた電車。このことが、ターニングポイントとなり、人生が思いがけない方向へと動いていく7人の物語を描いた作品です。
本作は、7人の人生を描いた全7章の短編集となっております。基本的に各章は独立したストーリーとなっており、また、文体も平易でテンポよく話が展開していくため、とても読みやすいです。
恋人と別れる決意をした女性や父親の危篤の報を聞いて病院へ急ぐ会社員など、様々な事情を抱えた人物を主人公に据えており、笑いあり涙ありのとても読み応えのある作品です。電車の停止により、思っていた方向と違う方向へと徐々に人生が動き始める展開がとても面白いです。
楽しい話だけではなく、ちょっと重ためのエピソードも含まれておりますが、どのエピソードも心温まる内容なので、読了感は心地いいです。安心して読むことが出来る作品です。
どのエピソードも等身大の一人の人生が描かれているという印象を受けました。話に誇張がなく、主人公の心情の描写がとてもリアルなので思わず感情移入しながら読み進めました。まるで、たまたま電車に乗り合わせた他人の人生を覗いているような感覚で楽しく読める作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:阿川 大樹
定価:593円+税
ページ数:320ページ
発売年:2017年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月9日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300