八日目の蝉

本を読んだ感想

直木賞作家・角田光代の長編小説。ドラマや映画といった各メディアで映像化されたベストセラー作品です。
不倫相手の子供を誘拐した女・希和子の警察からの逃避行を描いた前半と、大学生となった子供・恵理菜が、現実と葛藤する中で、誘拐されていた過去と向き合う姿を描いた後半から構成されています。
前半は迫りくる警察の緊張感がとてつもないです。あと一歩のところまで迫ってくる警察、機転を利かして間一髪で追手から逃れる希和子の攻防はスリル感たっぷりでハラハラドキドキしながら読み進めました。テンポよく情景が移り変わっていくので、話に引き込まれます。そして、追手から逃れながらも、子供を想い、無償の愛情を注ぐ希和子の姿が美しい。たとえ血が繋がっていなくても、必死に子供を育てようとする姿に涙が止まりませんでした。
後半は子供・恵理菜の心情がとても丁寧に繊細に描かれております。現在、そして、過去に苦しむ姿が等身大で描かれており、思わず感情移入してしまいます。暗い内容の中にも、しっかりと光が描かれているのが、とても素敵で感動的です。
重いテーマを扱った作品ですが、子供に対する親の無償の愛情を感じる心温まる作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:角田 光代
定価:590円+税
ページ数:376ページ
発売年:2011年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月9日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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