とんび

本を読んだ感想

重松清による長編小説。映画化やドラマ化もされた人気小説です。
妻を不慮の事故で亡くした父親が男手ひとつで悪戦苦闘しながら息子を育てる物語です。
不器用ながら、目一杯の愛情を息子に注ぐ父親・ヤスの人柄がとてもいい。何気ない行動や言葉の中にも、息子への愛情を感じます。不器用だからこそ、その愛情は息子に思ったように届かないこともあるけれども、息子も愛情をしっかりと感じている描写がとても丁寧に描かれていて、素敵な親子愛に読んでいて涙が溢れてきます。
そして、ヤスを取り巻く地元の友人たちがとても素敵です。不器用だけども誠実なヤスを慕う多くの仲間が、ヤスを心配し、時に厳しく、時に優しく接しながら、二人の親子を暖かく見守っている様子がとても美しいです。完璧とは言えないヤスが、色々な助言を受け、試行錯誤しながら必死に子供を育てる姿に胸を打たれます。
物語は息子の成長とともに進んでいきますが、テンポよく話が展開していくため、とても読みやすいです。ヤスの友人の一人になり、親子を見守るような目線で読み進めることが出来ます。作品全体から暖かさを感じる作品で、読後は心が浄化された気持ちになります。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:重松 清
定価:629円+税
ページ数:420ページ
発売年:2011年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥300