手紙

本を読んだ感想

東野圭吾の長編小説。ドラマ化や映画化もされた大ヒット作品です。
弟と2人暮らしの武島剛志は、弟を大学進学させるためのお金に当てがなく、やむを得ず空き巣に入り、勢い余って強盗殺人を犯してしまう。兄の犯した罪により、弟・直貴は次第に苦しめられていく、一方、獄中の兄からは毎月手紙が届く。というお話。
犯罪加害者の親族に焦点をあて、その苦悩を描いた作品です。進学や就職もままならず、何をするにしても殺人犯の弟というレッテルが障壁として立ちはだかる描写がとてもリアルに描かれており、途方もない絶望感を感じます。
また、兄から届く手紙を通して、獄中で平穏な暮らしをしている兄と社会で苦しむ弟が対照的に描かれている点が印象的です。弟の苦悩がより強調され、読んでいてとても苦しいです。
それでも、この物語に救いがあるのは、弟が兄の存在で苦しみながらも、前を向いて必死に生きて、小さな幸せを掴んでいくところにあると思います。そのせいか、終始重い内容ではありますが、すっきりとした気持ちで読み終えることが出来ます。いつ誰の身に降りかかってもおかしくない現実的な話だからこそ、色々と考えさせられる作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:東野圭吾
定価:629円+税
ページ数:428ページ
発売年:2006年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300