まほろ駅前多田便利軒

本を読んだ感想

三浦しをんによる長編小説。直木賞受賞作であり、また、漫画・映画・テレビドラマと各方面で映像化された大ヒット作品です。
主人公は便利屋を営む男・多田啓介、そして彼の元で居候をする行天春彦。便利屋に舞い込む様々な依頼に二人が翻弄されながらも、応えていく形で物語は進みます。
ペット預かり、塾の送迎、掃除、といった何気ない依頼から、次第に危険な香りのする方向へと2人が導かれていく展開が面白い。アリ地獄に徐々に引きずり込こまれていくような緊張感があり、ハラハラしながら読み進めました。
真面目な多田といい加減で掴みどころのない行天のコンビがとても良いです。決して、仲良しではない二人の距離感が癖になります。重苦しい方向へ話が進んでも、二人のやり取りがとても面白いので、とても心地がよく、爽快です。
また、2人が依頼に応える展開と並行して、登場人物が過去の出来事に対して抱える闇が描かれている点に構成力の巧みさを感じます。依頼に応える過程で、徐々に闇が明らかになっていき、それと向き合っていく展開はとても面白いです。心の動きの描写がとても丁寧に描かれているため、思わず感情移入してしまいます。人間の情を感じるとても暖かい作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:三浦しをん
定価:543円+税
ページ数:351ページ
発売年:2009年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300