誰か Somebody

本を読んだ感想

宮部みゆきの長編推理小説。杉村三郎シリーズの1作目です。
大企業会長の娘婿である杉村三郎は、同社の広報室で働く温厚な男。ある日、会長のお抱え運転手、梶田が自転車に追突され命を落としてしまう。その折、梶田の娘姉妹は、逃げた犯人を探す手がかりになるのではと、大切な父の人生を記録した本を出版したいと言い出す。
会長に頼まれて、姉妹に協力することになった三郎であるが、梶田について調査をしていく中で、驚くべき過去が浮き彫りになっていく。というお話。
物語は主人公である三郎の視点から、ひき逃げ事件の犯人を追う展開と梶田の過去を探る展開の二つが並走して描かれております。また、姉妹の間にも妙な温度差があることが描かれており、序盤は謎が膨れあがっていく展開が描かれております。そして、その謎が複雑に絡み合いながら、次第に全貌が明らかになっていくのですが、その描き方がとても巧みです。一個ずつ一個ずつ、積み上げられていく事実によって、謎が明らかになっていく展開はとても面白いです。
そして、三郎のキャラクターがとても良いです。人の心の闇を描いた血生臭い展開でも、温厚な三郎の言動には安心感があるので、心地よく読み進めることが出来ます。

本の説明

著者:宮部みゆき
定価:648円+税
ページ数:469ページ
発売年:2007年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300