名もなき毒

本を読んだ感想

宮部みゆきの長編推理小説。杉村三郎シリーズの2作目です。
主人公は、ある企業の会長の娘婿である杉村三郎。同企業は、トラブルばかり起こすアルバイトの原田いずみを解雇したのだが、納得のいかないいずみは、会社から受けたとされる不当な行為をでっち上げ、会社に対して訴訟を起こすと迫ってくる。
対処を命じられた三郎は、いずみの身辺調査のため、私立探偵の北見氏のもとを訪ねるが、ひょんなことから巷を賑わす連続無差別毒殺事件で祖父を亡くした女子高生と出会い、事件に首を突っ込んでいく。というお話。
物語は2つの事象に三郎が向き合う構図で進んでいきます。2つの話の進め方がとても巧みで印象的です。話の切り替え方がとても自然で違和感がないので、読み進めていてストレスがないですし、文章がとても綺麗で頭にスッと内容が入ってきます。そして、一見無関係に思えた二つの話の絡め方がとても上手い。いつかどこかで接点を持つんだろうなとは思っていても、この繋げ方は予測できなかったです。
そして、ストーリーがとても面白いです。表題にもある“毒”が作中に様々登場しますが、その中でもとりわけ恐ろしいのが、人の心の奥に潜む毒。その毒がとても不気味に恐ろしく描かれていて、小説の世界観に引き込まれます。

本の説明

著者:宮部みゆき
定価:848円+税
ページ数:607ページ
発売年:2011年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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