代償

本を読んだ感想

井岡瞬のサスペンスミステリ小説。
父母と幸せな暮らしをしていた小学5年生の奥山圭輔。だが、母親同士が遠縁という理由で、圭輔の家に度々遊びにくるようになった同学年の浅沼達也の存在が圭輔の人生を狂わしていく。残忍で邪悪な心を持つ達也により、圭輔は地獄のような日々を送る。転じて、大人になった圭輔は弁護士となっていた。そんな彼の元に冤罪を晴らしてほしいと逮捕された達也から連絡が入る。巧妙に仕組まれた罠に追い詰められていく圭輔は達也に鉄槌を下すことが出来るのか。というお話。
二部構成となっており、前半は少年期の話、後半は弁護士となってからの話です。前半はとにかく読んでいて苦しいです。達也の存在が、圭輔の暮らしを徐々に蝕んでいく描写はあまりに救いがなく、とても苦しいです。それでも、読みやすい文章と巧みな話の運び方で、どんどん話に引き込まれます。
後半は、法廷ミステリー要素が強いです。証拠を一つ一つ積み上げていき悪事を暴いていく展開がとても心地いいです。自然と張られた伏線を、さらっと回収する流れがとても巧みで、読んでいてとても楽しめます。
話の構成と流れがとても良く設計された作品です。無理な展開や、強引な論理もないので、読後の満足感が高いです。

本の説明

著者:伊岡 瞬
定価:800円+税
ページ数:456ページ
発売年:2016年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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