デパートへ行こう!

本を読んだ感想

真保 裕一の小説。誰もいないはずの真夜中の老舗デパートを舞台に、生きる希望を失くし死に場所を求める中年男性、家出中の学生カップル、宝飾品を盗もうと企む女性従業員、罪を犯し逃亡する元刑事、といった訳アリの人物たちがデパートに忍び込み、それぞれの事情と思惑で、閉店後のデパートを暗躍する物語です。
物語は、登場人物それぞれの視点でデパートでの一夜を語る群像劇となっています。それぞれの視点では、なぜデパートに忍び込んでいるのかを辿る過去の背景も少しずつ明らかになっていくので、話に深みが増し、読んでいて楽しいです。
皆が皆、デパートには自分しかいないと思っているから、色んな人に出くわし戸惑う様がとても面白いです。文章もコミカルタッチで描かれているから、思わず笑ってしまいます。
そして、物語が進むにつれ、登場人物の間に何らかの繋がりがある事が明らかになっていく展開はとてもわくわくします。話が次第に複雑になっていきますが、複雑になればなるほど面白さが増していきます。
物語全体を通じて、暖かい雰囲気に包まれています。読後は、悩みがあっても、頑張ってみようと背中を押してもらえるような素敵な小説です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:真保 裕一
定価:743円+税
ページ数:486ページ
発売年:2012年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 やや傷や汚れあり
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