どれくらいの愛情

本を読んだ感想

白石一文による恋愛小説集。表題作を含む、全4作が収録されています。福岡の街を舞台に、不倫や別れといった大人の恋愛を描いた作品です。4作それぞれに違った味わいがあり、どれも面白いです。
その中でも特に表題作が印象的です。内容は、博多で飲食店を営むちょっと冴えない男・正平とスナックで働く女性・晶との恋を描いた作品です。5年前、結婚を目前にして晶の裏切り行為で、別れた2人であったが、やがてその真意を正平は知る。というお話。
表題作は会話が全部博多弁であり、博多弁を話す晶がとても艶っぽく魅力的に描かれています。また、博多の街の情景描写がとても緻密で、博多の街に入り込んだような気持ちで読み進めることが出来ます。
登場人物の心理描写や心情の移り変わりがとても繊細に描かれていて、どんどん小説の世界観に引き込まれます。愛に障害が立ちはだかったとき、何を思い、どう行動するかがとても丁寧に描かれているから、登場人物に感情移入しながら読み進めました。
どの話もとても感動的で、読後はとても穏やかな気持ちになれます。また、どの話もかなりボリュームがあるので、読み応え十分です。非常に読みやすい作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:白石 一文
定価:680円+税
ページ数:494ページ
発売年:2009年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300