新編 銀河鉄道の夜

本を読んだ感想

宮沢賢治の童話作品集です。永遠の未完成の傑作である表題作のほか、「よだかの星」「セロ弾きのゴーシュ」など全14話を収録しています。
どの物語も、宮沢賢治の作り出す不思議な世界へと誘われる素敵なお話です。どの物語も、それぞれ違った味わいがあり、とても面白いです。一つの物語がとてもコンパクトにまとめられており、文章も平易なので、とても読みやすいです。
その中でも、やはり表題作「銀河鉄道の夜」が印象的です。病気の母を持ち、貧しくて孤独な少年ジョバンニが、学校帰り、土手でうたた寝をしてしまい目が覚めると、親友のカムパネルラと銀河鉄道に乗っていて、美しく哀しい夜空の旅へと出かける。というお話。
著者が描く情景描写がとても美しく、自分も銀河鉄道に乗って、夜空に輝く満点の星空を見ながら旅をしているような感覚で、とても心地よく読み進めることが出来ます。また、ただ楽しいだけではなく、ジョバンニの悲哀や苦悩も描かれており、とても深みのある作品です。
著者の死生観や幸福論といった哲学的な思想も多く含まれており、作品を通じて宮沢賢治という人間を多少なりとも知ることが出来ます。後世に語り継がれる不朽の名作です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:宮沢 賢治
定価:430円+税
ページ数:432ページ
発売年:1989年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
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価格 ¥300