死神の精度

本を読んだ感想

伊坂幸太郎の短編小説集。1週間対象者に接してみて、対象者の死の可否について調査をする死神視点の物語です。死神・千葉が審判を下すまでの1週間に密着し、調査対象者の様々な人生を紐解いていく形で物語は進みます。
表題作である「死神の精度」のほか、「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「恋路を死神」「死神対老女」の全6話を収めた作品です。
死神・千葉のキャラクターがとても魅力的です。死神視点の人間に対する皮肉やユーモアが的確で面白い。また、人間との会話でピントがズレた発言をしてしまう、まじめな性格の千葉に、思わずクスっと笑ってしまいます。
物語自体もとても面白いです。どのエピソードも、それぞれ違った趣があり、テンポよく展開していくため、話に引き込まれます。伏線の張り方・回収がとても上手く、予想だにしてない展開が続くため、続きが気になって仕方がなかったです。それぞれの話は基本独立してますが、所々繋がっているところがあったり、小技が利いていて素敵です。
死に行く人たちの人物像や人生観を死神視点で描いているから、あまり重さを感じない作品でとても読みやすいです。笑いあり涙ありの心温まる作品です。ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:伊坂 幸太郎
定価:524円+税
ページ数:345ページ
発売年:2008年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
配送料の負担 送料込み(出品者負担)
配送の方法 クリックポスト
配送元の地域 東京都
配送までの日数 2~3日で発送
価格 ¥300