ハピネス

本を読んだ感想

桐野夏生の小説。人気女性誌VERYにて過去連載された人気の作品です。
高級タワーマンションに娘と暮らしている有紗を主人公に、思うようにいかない子育て、ママ友たちとの窮屈な交友、夫との冷え切った関係といった悩ましい日常を描いた作品です。
作中では有紗の様々な苦悩が描かれていますが、その中でも、ママ友たちとの日常がメインで描かれています。表面上は仲良くしていながらも、裏では腹の探り合いをし、子供や家族を巡って優越感や劣等感を抱く描写は、とても生々しいです。有紗の心理描写がとても丁寧に描かれているから、話に引き込まれます。
何気ない日常の中で、次から次へと事件が起こっていく展開が面白いです。とても現実味がある事件ばかりなので、読みごたえがあります。物語全体の構成がしっかりと作られており、展開が小気味よく移り変わっていくため、ストレスを感じることなく、スラスラと読めます。
タワマンという限られた空間、そして、限られた人間関係の中での物語だからこその面白さがあります。見栄やプライドをはってしまう登場人物に時に不快感を覚えながらも、楽しく読める作品です。文章も綺麗でとても読みやすいので、ぜひ読んでみて下さい。

本の説明

著者:桐野 夏生
定価:720円+税
ページ数:450ページ
発売年:2016年

本の情報

出品者 takahashi
出品日 2023年2月18日
カテゴリー 文芸 / 小説
本の状態 目立った傷や汚れなし
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配送の方法 クリックポスト
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価格 ¥300