特集綾辻行人のおすすめ小説8選 代表作『館シリーズ』をはじめ傑作を幅広く紹介します
代表作である『館シリーズ』をはじめ、数多くのヒット作を生み出しているホラーミステリー作家・綾辻行人。
作品に散りばめられた様々な仕掛けは多くの読者を魅了し続けています。
そこで今回は、綾辻行人の作品をまだ読んだことがない初心者の方向けに、独自におすすめの小説を厳選しランキング形式でまとめてみました。
どれも人気の作品でとても面白いので、ぜひ読んでみて下さい。
『綾辻行人』 とは
経歴や受賞歴
綾辻行人は、1960年京都府出身の小説家です。京都大学在学中の1987年に『十角館の殺人』で小説家としてデビューします。
その後、1992年に『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞します。
また、2018年には日本ミステリー文学大賞を受賞しています。
作品の特徴や魅力
綾辻行人作品は伏線やどんでん返しなど様々な仕掛けが作中に施されているのが魅力です。
予想のはるか上を行く意外な展開には、思わず声が出てしまうほど驚かされます。
特に、『十角館の殺人』から始まる『館シリーズ』は綾辻行人の魅力が存分に詰まったシリーズでオススメです。
おすすめ小説 8選
十角館の殺人
- 累計発行部数が100万部を突破した代表作
- 何度も驚きながらスラスラと読めるミステリー
- 全てがひっくり返る衝撃の1文がポイント
綾辻行人のデビュー作にして累計発行部数が100万部を突破した代表作の一つ。1987年に出版された「館シリーズ」の第1作目です。
奇抜な十角形の建物が建つ角島と呼ばれる無人島を訪ねた推理小説研究会の大学生一行。そこで1週間の合宿を計画しています。
3日目の朝、仲間の1人が寝室で絞殺された上、左手が切断されている状態で発見されます。そして、それを皮切りに恐ろしい連続殺人が幕を開けるのでした。
島と本土のパートが交互に切り替わりながら物語は進んでいきます。非常に構成力が高く、細部に至るまで伏線が散りばめられているため何度も驚きながらスラスラと読める作品です。
そして何と言っても、全てがひっくり返る衝撃の1文がポイント。これぞ王道のミステリーと言える作品のため、ミステリー初心者にもオススメの一冊です。
Another
- 映画化やアニメ化もされたホラーミステリー小説
- ホラーとミステリーが絶妙に交じり合った傑作
- 終盤に明らかになる驚きのトリックがポイント
2010年版の「このミステリーがすごい!」国内編で、第3位にランクインしたホラーミステリー小説。映画化やアニメ化もされた非常に人気のある作品です。
夜見山北中学校の3年3組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの異様な空気感に違和感を覚えます。
クラスメイトの美少女・見崎鳴に惹かれた恒一。接触を試みますが、他のクラスメイトはまるで鳴が見えていないかの様な振舞いをします。
そんなある日、一人のクラスメイトが凄惨な死を遂げ、やがて恒一は3年3組で過去に起こってきた「呪い」の存在を知ることになります。
ホラーとミステリーが絶妙に交じり合った傑作。終始ホラーの空気感が作品全体を覆いつつ、真相が徐々に明かされ呪いの謎に迫っていく部分はミステリー要素が強くとても面白いです。
終盤に明らかになる驚きのトリックがポイント。伏線が綺麗に回収され、辻褄がしっかりと合っていく爽快感が味わえる一冊です。
フリークス
- 精神病院に入院する患者視点で展開するホラーミステリー
- ホラー色が強く終始背筋がゾクゾクする一冊
- 読み手を欺く様々な仕掛けが施されているのがポイント
全3話から成るホラー&ミステリー。全ての話が精神病院に入院する患者視点で展開していきます。
表題作「フリークス」は狂気の科学者 J・Mが誰に殺されたのかを追う物語。J・Mは5人の子供に人体実験を施し、異形の怪物を作り、彼らを苦しめていたのでした。
ホラー色が強く、終始背筋がゾクゾクする一冊。読みやすい文章で、一気に小説の不気味な世界観に引き込まれます。
短編集でありながら綾辻氏らしく読み手を欺く様々な仕掛けが施されているのがポイント。どの物語も読み応え十分のオススメの一冊です。
殺人鬼 覚醒篇
- グロテスクな描写が多いホラー&ミステリー
- サクサクと進んでいく展開が心地良い
- 真相を導くヒントが作中に巧みに散りばめられているのがポイント
グロテスクな描写が多いホラー&ミステリーです。
夏合宿で双葉山を訪れた「TCメンバーズ」の一行に、突如として現れた殺人鬼が襲い掛かり、一人また一人と残忍なやり口で殺されていってしまいます。
残酷な殺人描写が細かく表現されているため、何度も目を背けたくなる一冊です。しかし、サクサクと進んでいく展開が心地よく、ミステリー要素もとても面白いため、一気に読めてしまいます。
真相を導くヒントが作中に巧みに散りばめられているのがポイント。思わず唸ってしまう衝撃のラストをぜひ味わってみてください。
人間じゃない〈完全版〉
- 著者の単行本未収録作品を集めた短編集
- 幅広いジャンルの物語が描かれており内容が濃い
- 綾辻ワールドを手軽に堪能したい方にオススメの一冊
著者の単行本未収録作品を集めた短編集。これまでの作品の後日譚やスピンオフである5話に、著者の京大時代のミステリ研メンバーである旧友達が登場する『仮題・ぬえの密室』を加えた全6話が収められています。
オススメは『仮題・ぬえの密室』。実在する有名作家達が実名で登場し、彼らの微笑ましい関係性が垣間見えるのが、とても貴重で満足度が高いです。
またその他の物語も、ミステリーからホラー、幻想世界といった幅広いジャンルの物語が描かれており、とても内容が濃いです。綾辻ワールドを手軽に堪能したい方にオススメの一冊です。
奇面館の殺人
- 大人気『館シリーズ』の9作目となる作品
- 謎を一つずつ紐解いていき真実に向かっていく展開が面白い
- 予想を上回る終盤の謎解きはお見事
大人気『館シリーズ』の9作目となる作品。
奇妙な館で開催される会合に参加することになった鹿谷。そこでは参加者全員が鍵のかかる仮面を被らなくてはいけない謎のルールがあった。
季節外れの大雪に見舞われ孤立した館。そして、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体が発見される。
『館シリーズ』ではおなじみの名探偵・鹿谷が久々に当事者として登場する本作。
鹿谷が謎多き状況を一つずつ紐解いていき真実に向かっていく展開がとても面白いです。
そして、予想を上回る終盤の謎解きはお見事。読んで損のないオススメの一冊です。
びっくり館の殺人
- 大人気『館シリーズ』の8作目に当たる作品
- ホラー色がかなり強いのがポイント
- 随所に挟まれる不気味な挿絵が良いアクセントになっている
大人気『館シリーズ』の8作目に当たる作品。
謎に包まれた怪しい館『びっくり館』。そこに祖父と暮らす少年と友達になった三知也たちは、その門をくぐる。
館には、美しくも不気味な腹話術用の人形・リリカがあり・・・やがて、惨劇が幕を開ける。
児童向けに描かれた本作は、従来の館シリーズほどの複雑さはなく、登場人物も少なく、館の構造も比較的シンプルに描かれております。
それでも、巧みな伏線やミスリードなど大人が読んでも十分楽しめる仕掛けが施されており、綾辻ワールドを堪能できる一冊です。
ホラー色がかなり強いのがポイント。所々にリアルで不気味な挿絵があり、とても良いアクセントになっています。
暗黒館の殺人
- 『館シリーズ』の7作目に当たる作品
- どんでん返しや伏線に次ぐ伏線など様々な仕掛けが心地良い
- 従来の館シリーズと違いファンタジー的な側面があるのが見所
『館シリーズ』の7作目に当たる作品。文庫本4冊から成る過去最長の超大作です。
湖上の小島に建つ漆黒の館『暗黒館』。当主の息子に招かれた私は、そこで数々の奇妙な出来事に遭遇する。
終始、不気味な雰囲気が漂う本作。巧みな文章に誘われて序盤から小説の世界観に一気に引き込まれます。
また、どんでん返しや伏線に次ぐ伏線など様々な仕掛けがとても心地良いです。長編でありながらストーリーに程よく起伏があるため、ストレスなくスラスラと読めてしまいます。
これまでの館シリーズと違って、ファンタジー的な側面があるのも見所の一つ。読んで後悔のないおすすめの作品です。
おすすめ小説8選 作品一覧
綾辻行人の新刊 / 新作最新情報をチェックしてみよう
Another 2001
発売日:2023/6/13 電子書籍:〇 文庫本:〇
- 「Another」シリーズの7年ぶりとなる最新作
- 次から次へと生徒が死んでいく怒涛の展開が見所
- 伏線回収が見事で読後の満足度が非常に高い一冊
学園を舞台にしたホラーミステリー小説「Another」シリーズの7年ぶりとなる最新作。
夜見山北中学3年3組に降りかかる災い「災厄」。1998年度の「災厄」から3年を経て、再び悪夢が3年3組に襲い掛かる。
主人公の想は、クラスに紛れ込んだ「死者」に代わり、自らを「いないもの」として振舞う。3年前の経験を活かし、特別な対策を講じた想たちであったが、ある出来事をきっかけに歯車は狂い始め、ついに惨劇が幕を開ける。
「災厄」によって、3年3組の生徒達が次から次へと死んでいく怒涛の展開が見所の一冊。どんどん加速していくスピード感溢れる展開から目が離せません。
また、伏線回収が見事で読後の満足度が非常に高いです。前作から一回りも二回りもスケールアップした本作をぜひ読んでみてください。
シークレット: 綾辻行人ミステリ対談集in京都
発売日:2020/9/16 電子書籍:〇 文庫本:×
- 綾辻行人と後輩ミステリー作家との対談集
- 綾辻氏でなければ引き出せない興味深い話が詰まった一冊
- 対談を通じて各作家の様々な作品が紹介されているのがポイント
綾辻行人が自身と関わりのある後輩ミステリ作家10人を京都に招き、対談した模様をまとめた作品。
各人の創作秘話や賞の受賞の裏話など綾辻氏でなければ引き出せない興味深い話が詰まっています。
また、ミステリー界の大御所である綾辻氏を前に、後輩作家達が緊張している様子が文面から伝わってくるのがとても面白いです。
対談を通じて、各作家の様々な作品が紹介されているのがポイント。読んでみたい本がどんどん増えていくおすすめの一冊です。
綾辻行人の作品を読んでみよう
綾辻行人のおすすめ小説をランキング形式で紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
今回は代表作から最新作まで幅広く紹介しましたが、他にも多くの人気作品があります。
電子書籍化や文庫本化されている作品も多いので、気軽に面白いと思った一冊を手に取り、読んでみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
東京都文京区在住のけんぞうです。
本が大好きで、自分が読んで面白かった本などを中心にWEB編集者として様々な情報を発信しています。
ぜひ、本の出品をお待ちしております。